「この前、女優の誰々撮っていたでしょ。どんな人でした?」
これは本当によく聞かれる。写真説明に撮影者が入るので、その人のファンだったら特に聞いてみたくなる気持ちもわかる
女優さんだったら、「キレイでいい人でした」
男優さんだったら、「カッコよい人でした」
くらいに僕はテキトーに答える
「態度が悪くて撮りたくなかった」
なんて絶対いわないし、プライベートなことも言わない。原稿に出てくる以外のことは「守秘義務」として外部に漏らさないのが取材のルールなのだ。もし
「この前、女優の●●さん撮って、●●な人だった」
なんて自慢しているフリーカメラマンがいたら問題外、僕だったら絶対に案件は頼まない
守秘義務に例外は無く、取材上の情報は墓場まで持ってゆくのがルールだ。身内にだって話さない
たくさん取材して分かったけど、芸能人、有名人などの99.9%位は良い人ばかりです。人当たりが良く、社会人としての常識があり、イメージを裏切る人はまれです。人格者であるから生き残れる世界なのでしょう
政治家なども腹黒いようなイメージがあるれど、実際は写真の話で僕を気づかってくれたり、高圧的な態度をとる政治家は会ったことがありません。さすが顔と名前を覚えるのが商売、2回目に会った時など覚えていてくれたりして感激することもあります。次の選挙はこの人の政党に入れようとまで思うこともしばしば
逆に売れっ子芸能人なんかは、4回も5回も撮ることがありますが、あまり覚えてもらえなくてさびしくなります。カメラマンによっては、必ずバンダナを巻いたり、変な帽子をかぶったり、金のネックレスをしたり、特徴的な人がいますが、クライアントや芸能人に覚えてもらうためだそうです
また撮った画像データの扱いにも気を使う。たとえばAKBやジャニーズのデータが流出してしまったら、信頼関係がくずれてしまいます。撮ったデータを会社から持ち出さないのは当たり前で、現場でメモリカードを紛失すると大問題なので、メモリカードごとに連絡先を印字したテプラを貼ります。
確認のために芸能事務所に「当たり画像」と呼ばれる撮影データを送ることがありますが、それも透かしを入れて、画素数を下げて送ります。新聞の取材なら新聞以外に写真を使うことはなく、外部に画像を販売するなんてことはありません
話せない情報としてあるのが、
この人は上手(かみて=左ほお側)からしか撮らせない
ストロボをたくさん立てないと機嫌が悪くなる(逆にストロボを嫌がる人も)
マネージャーが超うるさく、撮影に指示してくる
インタビュー中はヘン顔になるので撮らせない
白内障なのでストロボは弱くする
など撮影に関する情報はカメラマン同士では共有しますが外部には話しません
昔は有名人を撮ると飲み屋で自慢する先輩カメラマンがいたそうですが、それも個人情報にゆるい良き時代の話。その世代の人は何も持たず墓場へ行ってしまいました