道具

三脚はなぜ使う

「三脚使っていますか?」

と、聞いておきながら、僕ら報道の現場では意外と三脚を使わないのです。よく風景写真家などは「必ず三脚を使いなさい」というけど、報道は真逆。三脚がなくても撮れないことはないので、なるべく機動力を考えて持ち歩きません。でも僕はまだよく使うほうで、料理や物撮りなどで持ち込んで使っている

三脚を使う理由を考えてみましょう

<目的1 ブレ防止>

 まず、言われるのがこれなんだけれど、今のカメラはブレ防止がついて意味が無いように思える。逆に三脚につけた場合はブレ防止をOFFにするので切り替えが面倒だ。フィルムの感度が低く高速シャッターが切れない時代は三脚必須だったけどなぁ。三脚メーカーが苦戦するのもわかる。でも天体写真とか花火とか長時間露出で撮る場合は必需品

<目的2 疲れ防止>

 400mmなどを手持ちで撮ると疲れる。カメラを置く場所として三脚は便利だ。僕は相撲やライブ撮影などでよくつかう。撮った写真をパソコンで送るので、いちいちカメラを床に置いて、また持ちあげて撮るというのも疲れる

 定番はSLIKのマスターシリーズだ。レバーをひとつ緩めると上下左右に自由に動くフリーターン雲台がついている。レバーを締めると全体が固定する。1955年頃に発売されたけど、たぶん業界中のカメラマンがこれをずっと使っていると思う。使い勝手、絶妙な軽さ、盗まれてもあきらめの付く価格(2万円ほど)が見事にバランスしている

<目的3 位置を固定> 

僕が三脚を使う理由はおもにこれ! 料理のような物撮りは三脚で構図を固定して、撮影したデータをタブレットで確認。記者やシェフの意見を聞きながら配置が決まってゆく。高さや画角はミリ単位で決まるので手持ちでは定まらない。撮るたびに写真が変わってしまうのはプロとは言えないのです

 実は料理撮影で三脚を使うのは周りでも僕だけ。みんなに大げさだとバカにされるけど、シェフはよく見ていて「手抜きをしない人」として全幅の信頼を寄せてくれることもある。たとえ、手持ちでストロボを使わなくとも撮れていれば問題にはならないが、周りは細かいところまで見ているので手抜きはだめだ

<目的4 見せかけ> 

番宣などのポートレートでもフリーカメラマンは三脚を使っていることが多い。おそらく多くの機材を見せてクライアントに「これじゃ任せるしかない」と思わせる理由もあると思う。簡単なコンパクトカメラでもそこそこ撮れると思うけど、フルサイズのフラグシップ機、大型ストロボ、三脚、できれば助手までつけて撮れば「仕事してますよ!」と見えるから不思議だ

報道の場合はクライアントがいないので「見せかけ」は不要なんだけど

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