今日も若手女優の撮影があった。以前、月刊コマーシャルフォトのプロカメラマンアンケートで「撮りたい女優さん」で堂々1位になっていた女優だ。フリーカメラマンからすると、彼女を撮ることによって一流の仲間入りができるらしい
僕のように場当たり的に撮影をこなす年配カメラマンが撮ってよいものか。そう思いつつも、下手な写真を撮るとデスクに何を言われるか分からないので、それなりの装備で会場となるホテルに向かう
機材はストロボ5灯、ライトスタンド4本、ルーセントアンブレラ3本、あとは撮影のカメラとレンズ、といったところ。背景が読めないために、巨大なレフ板も持ってゆく
おそらく20kgくらいあるけれど、貧乏性のためガラガラ引きながら地下鉄で向かう。すぐ疲れてしまうので電車では無理して座るけど、とても怪しい人に見えるのか、大体となりの席は空いたままだ。それでも気にせずに座る
余裕で30分前に到着、影の部分に青色を付けるライティングを組んでみる。以前ソフトでシミュレーションしたので自信をもって組んでみて、記者を立たせてテスト撮りするけど、どうもきれいに撮れない

「そっか、狭いホテルの部屋では変な光が回ってしまうのか」
と気づいたら、すぐに無難なライティングに組み替える。よくあるんだよなぁ。でも早めに行って良かった。というか時間が無ければ、最初から無難路線で行っていたはずだ。と、ぶつくさ言っていると女優さんがONタイムで入ってきた
「やっぱり、プロカメラマンが1位にするだけあって女優オーラが半端ない」
撮影時間は4分ほどと言われスタート。縦、横、右向き、左向きなどいろいろ撮る。ここで大事なのは
いくらテスト撮影しても、本人が立つと微妙に条件が違うので、そこで微調整する。実際には数枚撮って、タブレットでスタイリストさんと確認。メイク直ししている間に、5灯のライティングの位置と光量を微調整する
時間が無い時にポージングは「手の動きを入れて」くらいの簡単なもの。それでも女優さんは撮られ慣れているので、「あうん」の呼吸で動きを付けてくれる
20枚くらい撮ると、女優の良い角度が見えてくる。大体髪の分け目側がおすすめの方向が多い。あと問題は高さ。バストアップの場合は目線の高さが基本になるけど、今回の女優は、若干高めから撮るとアゴのラインがきれいなが分かったので、その高さで多めに撮る
よく、女性カメラマンは身長が低くてアゴの高さから撮っている場合があるけど、エラは張るし、鼻の穴は見えるし大変なことになる。これって大事なことで、日ごろから低い視点でニンゲンを見ているので違和感なく、そのまま撮ってしまうのだよねぇ
僕だって、180cm以上あるような男優を撮るときは、20cmくらいの台をよく使う
結局、女優さんのポーズカットを3分弱で撮り、インタビュー中のカットを4分半で撮り終えた。自分では結構ゆっくりていねいに撮った感覚だけど、一般的に考えると早いんだろうなぁ。でも、ずっと撮っていると、メイク、スタイリストさんたちは休めないし、女優さんもお茶すら飲めなくなる。とにかく撮影が早いは現場受けが良いのです
ただ、あまり早くても、写真が悪かったり、バリエーションがなかったりすると本末転倒。その辺のさじ加減がむずかしいと思う。それ以前に、ずっと粘っても写真が悪いひとも現場でたくさんみたけれどね