報道カメラマンは撮りまくるように思われているけど、撮るのは仕事の一部で、キャプションと呼ばれる写真説明をパソコンで付けたり、出来上がった新聞のゲラを確認したりすることのほうが大変。また担当面を持っていることが多いので、原稿ばかり書いていることもある。要するに文字の仕事が結構あるのだ
最近みたいに寒くなると、東京駅で寒さの通勤風景、いわゆるスケッチを撮ったりする。趣味の写真の応募だったら「寒い通勤」みたいな画題を付けて応募用紙に撮影日と撮影場所を記入するだけで済むけど僕らは
「都内では最低気温2度が観測され、通勤で東京駅を通りがかる人たちも厚手の服装が目立った(東京駅で)」
みたいなキャプションを書く
僕から見て、フリーカメラマンがうらやましいと思うのは、撮ったそのままのデータを納品するだけで仕事が終了すること。キャプションを付けないということは、仕事の半分が免除されるということです
キャプションを打つことによって地雷を踏む可能性が高くなる
「最低気温2度」の部分を「今年最低気温2度」と気をきかせて書くと、たぶん今年の1月、2月に最低気温があるので間違いになる
「通りがかる人たち」も「通りかかる人たち」によく間違える。最後に名詞が入るときは「がかる」と濁るのだ
地名だってよく間違える
「江の島」「江ノ電」、「なぜか品川区ではなく港区にある品川駅」 などの使い分けなどは序の口だ
これだけ注意していても、手を抜くと間違いが発生する。例えば、1か月前に高齢者を撮影していて、明日にでも紙面に写真が載るとする
絵解きに
「とても100歳とは思えないほど活躍する●●さん」
と書いて掲載したら、実は1週間前に亡くなっていたなんてことがある。こういう手痛い間違いをさけるために行うのが確認電話。「明日掲載しますからね」と連絡しながらご存命をさりげなく確認する
新聞って、一字一句にめちゃ厳しくて、完全原稿を求められるので何度も何度も事実確認、校閲を通って印刷される
僕だって間違いたくないから、自分なりに慎重に書くのだけど、それでも校閲部を通ると「指摘出し」と呼ばれる間違いや、表現のゆれを指摘される
校閲記者ってスゴイのだけど僕にはできないなぁ。何時間もじっと文字ばっかり追って間違いを探すのなんて。驚くのは校閲記者が休憩時間に文庫本などの文字を楽しそうに読んでいる姿。よほど文字が好きじゃないとできない仕事だ
でも、高校生の時に国語で低空飛行していた僕が、文字の達人の校閲記者と仕事をしているなんて人生不思議だなぁと思う