新聞社には写真機材を管理する「機材担当」がいます。数百台あるカメラなどを、予算建てして更新したり、減価償却させて廃棄したりします。これがクセモノで、日ごろ撮影しかしたことのないカメラマンが2-3年のスパンで任命されるわけで、事務仕事に向いていない人が担当したりします
僕も20年くらい前にやったことがあり、ちょうどニコンのD1が出たころで、銀塩カメラを全うさせながら、デジカメ化する難しい時期だったけど、そういう技術的なことが分からないとダメだから僕だったのだと思う
今考えると、その頃の機材担当はある意味楽だったなぁ。予算は今と違ってあるし、
「デジタルに変えると、フィルムのランニングコストがこれだけ減ります」
とプレゼンすれば簡単に稟議が通ったし、こちらの要望をメーカーに言うとバンバン反映されたし、、、
2000年のシドニー五輪の時なんかは、オリンピック予算というのが別枠で何百万円かあって、それで必要な機材をバンバン買えた記憶がある
今の機材担当は大変で、機材を買う年度予算が減っているのに、フラグシップ機の定価は上がっていて、ふんだんに買うことができない。本当に足りない時はプロサービスにお願いして、貸してもらっているけど、昔だったら考えられないこと
でもカメラマンたちは子供と一緒。最新の機種が出れば、「買ってくれ!」と機材担当におねだりする。先日も、ソニーのフラグシップ機「α1」が発表された時は、2人ほど機材担当に直談判しに来ていた
年度予算に余裕がなく、カメラの発売予定も情報統制がきびしくわからない。その中で、他社に負けない機材購入をすすめるので機材担当は事務能力が必要なのです
また機材の流れを見る目も機材担当は重要かなぁ。僕が担当していたころはN社を中心に機材をそろえればよかったけど、そのうちC社が増えてきて、機材がそろったと思ったら、S社を入れないと他社に負ける、なんて状況になっている
ボディだけなら5年くらいで償却するので、徐々に変えてゆけば良いのだけど、それ以外に望遠レンズ群、大三元レンズのセットなども変える必要が出てしまい、アマチュアやフリーカメラマンが総取り替えするようなわけには行かないのです
現在、僕の職場ではC社の機材を中心でN社は少数派。僕がN社なのは理由があって、オリンピックなどの国際大会にチームで参加することが無いから。五輪などでは出先でメーカーをそろえないと、望遠レンズが共用できないので、一線のカメラマンはC社を持たされることが多いです。性能でC社を持つというよりは、運用の問題なのです
その辺の流れを見ながら、誰々カメラマンにはどの機材を持たせるかなんて考えるのも機材担当の仕事。写真と機材と総合的に理解できないと務まらない仕事だ