道具

ペンタブで画像補正

よく画像補正の方法を聞かれるけれど、そんな1-2時間じゃ教えられないよ。カンの良い人で1日30枚くらいの画像補正をして1年くらいかかる。これは補正して紙面という結果が直ぐに分かってフィードバックできる新聞制作での話。多くの人に見てもらって、感想も聞ける最高に恵まれた環境だ。その中で30年以上も毎日画像補正しても「それなりに」くらいしか出来ない人もいる。補正と言ってもお絵描きみたいなもので、センスの無い人はマニュアル通りにしかできない。結局、重要な写真の補正を任されることもなく定年を迎える人もいる。まあ、仕事というのは何でもそうなんだけどね

画像処理を行う際に必須なのが「ペンタブ」と言われるペンでお絵描きなどができるタブレット。新聞制作の現場では何十年もこれが使われている。マウスで十分という人がいるけど、微妙なマスクを切ったり、色をなじませたりするのはマウスではできない。マウスではクリックのオン、オフしかないけど、ペンタブだと筆圧で濃さや太さを変えられるからだ

ざっくり切った猫の目のマスク

ペンタブで境界をなじませる

補正前の画像

猫の目を強調した。この微妙な差にこだわるかが、技量の違いになる

よくユーチューブで写真家が画像処理を講義していたりするけど、ペンタブを使っているのは見たことがない。デザイナー寄りの人なら使うかも知れないけど、写真家にはいないなぁ。ほとんどがlightroomやCameraRawでざっくり補正している場合が多く、僕のように細かくペンタブでマスクを切って補正する人なんていない

ペンタブの使いこなしは難しく、最初は慣れているマウスの方が扱いやすい。なので僕が最初に教える時には
「我慢して2か月くらい使ってみてください」
とお願いする。それでも半分くらいが途中で挫折してマウスに戻ってしまう。そこでその人の二流が確定する

だってそうでしょ。日本料理の修業だと、大根の「かつらむき」を包丁でするのがキホンで、ピーラーで似たようにむけても、店の大将は許してくれないでしょ。そんな人は修業に生き残れないのだけど、会社だとペンタブが使えないくらいではクビにはならないのでメデタイ

ペンタブの利点はもっとある。処理速度の速さだ。髪の毛のような線をなぞるとき、ペンタブの方がマウスよりも何倍も速い。また僕は速度アップのためにショートカットキーを多用するけど、ペンなら持ったままキーが打てる。マウスだと手が行ったり来たりするので時間がかかる

とにかく、「きれいに仕上げたい」「処理速度をUPしたい」人はペンタブに挑戦してみよう。5分かかっていたものが3分くらいで早くきれいにできるはずだ。僕は1日30枚くらい画像補正するけど、1枚2分短縮して60分。これってものすごい時間だ。あまり補正しない人は覚える時間の方がムダだけど

どのペンタブがお勧めですか?

ちょっと高いけどワコム社のペンタブしかないですね。タッチは絶妙で、世界中のプロがこれを使います。小さいサイズで少し安いタイプもありますが、細かい作業に不向きです。大きいサイズで5万円くらいします。

どの媒体の画像補正が難しいですか?

手前みそかもしれないけど「新聞の画像補正」が難しさの頂点だと思います。もともと色域や明暗差がせまく、その中でがんばるのが難しいのです。写真展のプリント、チラシの画像。ネット写真などを補正することがあるけど、超かんたんです。

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