僕の家や、会社の機材庫にはこんなテストチャートがはられていて、よく機材のチェックにつかう。いろんなことが分かるので、シゴトでは必須のアイテムだ。ネット検索で「テストチャート」と打つと、簡単に探せるのでぜひ活用して欲しい

テストチャートで分かることは
レンズやカメラの解像度
ゆがみ(タル型、糸まき型など)
はもちろん、
自分の傾きのくせ(からだのゆがみ)
ぶれないシャッター速度
レンズの片ボケ
など、きれいに撮るためのヒントが満載されている
テストチャートの話はさておき、今日はレンズ特性について語りたい
上記のようなテストチャートを28ミリくらいのワイドレンズで撮ってみよう。良いレンズならゆがみも少なく、中心から端までピッタリピントも合うはずだ
これって当たり前のように撮っているけど、よーく考えると、テストチャートの中心と端では、大きく距離差があるんだけど、ピントはピッタリ合っているんだよね
細かい計算は省略するけど28ミリだと撮像面から中心との距離が20センチとすると、端は√2倍なので28センチほどになる。本当はピンボケになるはずが合うんだよね

これこそレンズの特性で「撮像面と平行な部分にピントが合う」ということなんだ。これってカメラマンは意識しないとダメだと思う。なんとなく「絞れば被写界深度が深く」ナーンてもっともらしく教えてくれる写真家先生はいるけど、「じゃーどの範囲に合いますか?」と聞いても知らないと思う
僕のイメージは
「カメラの盾」

構えたカメラの先に、盾があって、その部分にピントが合うということなんだ。じゃー絞ればどうなるか?盾が分厚くなるだけの話
あとは、応用で広角レンズにするほど盾が分厚くなり、思い切り絞るとパンフォーカスで無限に分厚い盾が登場する
その盾の中に被写体を入れればピントが合うというわけだ
ここまで理解できれば、後は応用がだいじ
例えば、料理撮影で手前から奥まで、パンフォーカスで撮りたいとする。専門カメラマンだったら、シフトレンズを使うか画像を重ね合わせる「深度合成」が普通だろう。ここで手を抜きたい報道カメラマンは「カメラの盾」を発動する

上は料理に見立てて普通にテストチャートを撮った例、奥にピントが合わない。ここでレンズを広角レンズに変え、カメラをテーブルと平行に近くして、チャートを画面の端に撮るのだ

こうすると、カメラの盾の中にチャートが2枚とも入るのでパンフォーカスにとれるというわけだ。あとは切り抜いて完成。今のカメラは解像度も高いのでトリミング耐性がある。新聞で使う限りは問題ない
応用編として「カメラの盾」と平行に撮ると歪まない。建築写真は下からあおって撮ると、ダメ出しがでるが、盾と平行になるように建物を撮ると建築写真家のように撮れてしまう。僕のよくつかうワザだ

フツウにあおって撮るとこうなる

水平に構えてワイドで入れて撮る

トリミングで出来上がり
カメラの盾を意識する
盾の中に被写体を入れる
ということなんだけど、プロでも理解できている人は少ないだろうなぁ
盾のイメージを具体的に
遠く:分厚い 近く:薄い
広角:分厚い 望遠:薄い
絞る:分厚い 開放:薄い
という感じで、撮影時に盾が思い浮かべば完璧ですね
広角の盾の発動
料理を撮るときに90ミリと60ミリを持って現場に入るのだけど、とても意味があって、最初に90ミリで完璧にセットします。 その後、ピントを深くする要望があった時は、同じセットのまま60mmに付け替えて、APS-Cの画角で撮影します。 1.5倍のワイドをトリミングするかたちで、同じ画角で撮れるんです。便利だと思いません?ピントもかなり深くなりますよ