ニコンZ9の正式発表後、プロサービスからデモ機の貸し出しを受けたカメラマンからの感想がネット上に上がっている。僕の周りでも短期間ではあるが、実践でテストしたカメラマンがいる
おおむね評判は上々で、アナウンスされている内容どおりだ。ただ、細かいことをいうと1日程度渡されたとしても、細かい設定がわからないので十分に性能を引き出せていないと思う。特にAFやノイズリダクションなどは細かい選択があるはずだ
その中で
「高感度耐性」
について気になる話を聞いた。報道でも最前線のスポーツを撮るようなカメラマンがD6などを暗い場面で使う場合は、迷わずISO感度を12800や25600まで上げる。同じような感覚でZ9の感度を上げると暗部のノイズがかなり多いというのだ
僕なんかは暗い舞台やスポーツなどでZ9と同じ高画素機D850を使うけど、最高でISO5000までしか使わないので、ノイズで問題になったことはない。ホント、きつい条件で使うカメラマンだけの問題なんだ。僕のテストした感想と周りの話を総合すると
「Z9はD850よりは高感度だけど、D6よりも落ちる」
というのが実力なのだろうと思う
D850とD6との感度差は、僕の感覚だと2段分くらいなので、多分、Z9はD850よりも半段くらい改善しているのだと思う。AFセンサーが撮像面に組み込まれ、なおかつ高感度になっているのはスゴイと思うけど、最前線の報道カメラマンの感覚的には
「Z9はD6よりも感度が悪い」
となるのだろうなぁ
僕の場合はスポーツや事件事故の現場にはあまり行かずに、逆に展覧会用の巨大ポスターを撮ったりするので高画素機がありがたいけど、立場によって感覚って違うのだと思う
ただ高感度に関してZ9で誰も指摘していない朗報がある
「Z9の電子シャッターは被写体ブレが少なくなる」
ということ。これはブレ防止機構の話ではない。これまで撮像面とシャッター幕の間にすき間があり、それが被写体ブレを引き起こす原因のひとつだった。むずかしい話は省くが、電子シャッターになるとすき間がなくなり被写体が止まりやすいのだ
銀塩からデジカメになった時
「デジカメは被写体が止まりにくい」
という大問題が発生した。構造上、デジカメのシャッター幕は撮像面のかなり前を走り、すき間が銀塩時代よりも大きくなったのが原因だ
銀塩時代は陸上など500分の1秒でけっこう止まって撮れたけど、デジタルになって1000分の1秒くらいが必要になった
Z9の電子シャッターだと640分の1秒くらいで大丈夫かなぁと思う。要するに遅いシャッターが切れるのだ。ここがミソで、感度がD6よりも低くても、シャッターが低速で済むので感度差は縮まるという計算だ
そのへんはニコンからアナウンスされていないけど、撮像素子の4500万画素を選んだ時点で、深い計算があったと思われる。どちらにしても僕にとってZ9は最高のカメラになるはずだけど、「高感度病」になっている最前線の報道カメラマンがどう感じるかだ
そういえば、ニコンから発表される動画はきびしい条件で使うテストカメラマンが少ないなぁ。報道カメラマンをキャスティングしたら良かったと思うけど、使っているとすぐに「それ何?」って情報ダダ洩れなのでダメか。なので、ひと目につかないような「ボッチカメラマン」ばかりが選ばれるのだろうなぁ
マウントアダプタのFTZ2は買いますか?
痛い、注文するのを忘れていて、これも争奪戦がすごいそうですね。急いで先日注文したのですが、年内はほぼ絶望的だとか。もし、Z9の方が先に納品されたら、旧型のFTZを借りられる算段だけはしました。とにかく半導体不足が影響しているわけで、工業製品は何でも奪い合いになっていますね
高感度にこだわりますか?
2000年のシドニー五輪の時はD1が出たばかりで、ISO400が実用限界でした。そのころの競技場の照明基準が大体F2.8、500分の1秒でした。それと比べるとISO6400は4段分違うわけで、ずいぶん高感度になったと感じます。僕の仕事ならそれで十分ですがミラーレスだともっと暗くてもピントが合ってしまうのでキリがないのでしょうね。D850は逆に低感度がISO64まであるので、料理撮影なんかはストロボフル発光でF8くらいで撮れるのですごく便利です。低感度にもこだわって欲しいですね