道具

撮影練習

印刷物を見せられて

「こんなライティングできますか?」

雑誌や広告を撮っているカメラマンならクライアントさんによく言われる。そこでできないなら

すいません。できないです

と断るのが筋というもので、ヘタに受託してしまうと後で墓穴を掘ることになる。ただ断ってばかりいると、撮影依頼が減ってくる

なのでカメラマンによってはそのライティングが分からなくても

「大丈夫っすよ。任せて下さい」

とその場は交わし、あとでこっそりスタジオとモデルを用意して事前に練習していた話を聞く。撮影料なんてせいぜい数万円で練習には最低でも10万円はかかるので、赤字覚悟だ。でも次につながると思えば安い先行投資

僕はセコイので、以前は印刷を周りの先輩に見せてライティングを教えてもらった上で、ぶっつけ本番で行うことが多かった。でもこれってうまく行かないのだよねぇ。微妙にスタジオの広さや機材が違うのでイメージとは違う写真になってしまう

新聞はそれでも単発写真が多いので問題なかったけど、雑誌は一貫してテイストがあるので1枚だけヘンな写真があっても使い物にならない

そこで最近僕が使うのは「set.a.light 3D」というスタジオ撮影のシミュレーションソフト
set.a.light 3Dの詳細はココ

スタジオの広さや機材、モデルさんなどを選択し、スタジオを借りなくてもパソコン上で練習ができるのだ。完全版が現時点で169米ドル、約2万円でスタジオを借りなくて済むので僕にとっては安いものだ

赤と黒だけの世界でシミュレーションしてみた
撮影するとこんな感じのはず、ちょとポーズがヘンだけど

このソフトの一番の強みは「お手軽さ」かなぁ
例えば前日の夕方に撮影イメージを伝えられても、フツウはテストできない。予想の下、機材をスタジオに入れて早めに現場でテスト撮影するとしても、うまく行かない場合が多い

「set.a.light 3D」だと簡単にイメージ写真がパソコン上で撮れるし、もしそれが良くなかったとしても、画面でライティングを5分ほどで組みなおせるので、最適の画像が導き出せるというものだ

シミュレーションで撮りたい写真が決まれば、後は機材の配置表をプリントアウトして、現場でスタジオマンに見せれば同じように組んでくれる。スタジオ撮影が多いカメラマンには絶対おすすめだ

ストロボなどを選び画面に配置
レイアウトを印刷してスタジオマンにみせるだけ

以前、フツーに撮るのだけど、影には色が付いているというカットが必要で、「set.a.light 3D」でシミュレーションして本番で使ったことがある。画面上ではメイン光源の大きさや角度決めで結構時間がかかったけど、本番ではおおむねうまく行った。パソコン上とはいえ、いろいろやっているとコツが分かってくるものだ

左サイドから青いフィルター越しの光を当てる
雑誌でよく見られる色付き影、意外と簡単だ!

僕はやったこと無いけど、事前にシミュレーションした画像を関係者に見せて、方向性を見極めることもできるね。こうすりゃクライアントさんの心をわしづかみだ。「set.a.light 3D」の弱点は、モデルさんがクセの強い外国人10名ほどしか選べないということ。日本人が30人くらい追加されれば、予定のモデルさんに近づけたりできるのだけどなぁ。まぁ約2万円のソフトじゃ高望みもできないか

スタジオライティングの限界

スタジオで物々しく大がかりなライティングセットを組めばいかにも「撮影してます」という感じなんだけど、デメリットは瞬時に組み換えができないということ。撮影時間が5分とか短いと無理だよね。時間のたっぷりある撮影なんて皆無なので古典的なライティングの限界を僕は感じるなぁ。なので僕は割と小さな自前のセットを3灯くらい用意して、その場で位置や光量を微調整するという作戦が多い。そもそも制作費縮小の中、大セットを組む撮影自体が減っているので、スタジオマン自体が減っているよね。だんだん写真業界が縮小しているのをみると寂しい限りだ

ニコン50mm f/1.2S Zマウント

2万円のキャッシュバックセールにつられて買いました。大きさは大ジョッキくらいあって持ち出すのは決意が必要です。近いうちにテストしてみて、本コラムでも書きますね

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA