僕は有名人じゃないのでインタビューなどで座右の銘を聞かれることない。ただし自分の中で、くじけそうになった時に叫ぶ言葉がある
「神は乗り越えられる試練しか与えない」
どんなにつらいことがあっても、それは神が与えた試練。必ず乗り越えられるので希望を持って向かうということだ。いきなり「神」が出てくるけどスピリチュアル的なものと考えないで欲しい
これはテレビドラマ『JIN-仁-』(じん)で出てくる名言。主人公である現代医師(大沢たかお)がいきなり江戸時代にタイムスリップして幕末の医師として多くの試練に立ち向かうストーリーだ
視聴率30%超えをたたき出した2010年ころの人気ドラマで、10%を超えられない今どきのドラマと比べると、この10年でテレビの力が3分の1くらいに弱ったということだね。これも神が与えたテレビ局の試練で、乗り越えられるか試されているように見える。資本力が潤沢なテレビ局なので必ず方法はあると思うけど
個人レベルで言うと誰でもそうだけど、うまく行かないことはザラ。僕はこの座右の銘を胸に、乗り越えられると信じて最善をつくすことにしている
数年前、ドラマの原作漫画を描いた村上もとか先生を取材したことあるけど、漫画家こそ試練の連続だという。最初から売れる漫画家なんて少ないし、懸命に作品を描いて編集者に見せるわけだけど、ほとんどが目に留まらない
仮に連載を得たとしても、ネームと言われるストーリーの設計図に追われ、その後に作画がはじまり一週間なんてすぐに終わってしまう
これってカメラマンと似ているね。僕のようにポートフォリオを作り、雑誌編集者の目に留まったら仕事を依頼される。良い写真を撮れば、次も仕事の依頼が来る
カメラマンも漫画家もクリエーターとして試練の連続なのだけど、仕事が終わって雑誌などの成果物を見るとまたやりたいと思うのは同じ。中毒的にやめられないのだよね
両者の違いは、下積み時代かな。漫画家のアシスタントは売れずに年を重ねる人がけっこう多いけど、カメラマンのアシスタントは3年もしたら独立する人が多い。やっぱ、漫画家のほうが狭き門で、乗り越えられないけど漫画が好きで続ける人が多いのだろうな
「あれっ、話が違う!努力で誰でも乗り越えられるのでは?」
と思った人は勘違い
たとえば
「漫画家になる=試練を乗り越える」
という意味のほかに
「努力すれば道が拓ける」
という意味合いがあり、ゴールは決まっていないということだ。「試練から逃げていると何も拓けない」ということだけど、ネット情報を見ながら試練から逃げ去る今の風潮は「大丈夫かな」とも思う。むしろ「ムダに努力するのはコスパ悪い!」なんてZ世代なら言いそうだものね
オープンAIが出現し、試練の回避まで教えてくれるようになった。そのうちAIが人間のために適度な試練を与えてくれるようになるかも。それはAIが神を超えたことになる