雑感

番組制作費

 BSで懐かしいテレビドラマ「Dr.コトー診療所」を観た。沖縄県のある島に赴任した若手医師(吉岡秀隆)と島民が繰り広げる医療ドラマだ。2003年の作品で、滑らかな背景ボケの画像は16mmの銀塩フィルムによる撮影だと思うけど仕上がりが素晴らしい。当時のテレビの勢いを感じた

 この人気ドラマは視聴率が20%前後、現状の数パーセントと比べると、制作費はこの20年で数分の1くらいに縮小しているのだろうなぁ

制作費の違いはシーンごとに現れる。例えば夕日が差し込む家の中のシーンがあったけど、カットごとに、しっかりレフ光を当てて、完璧な光線具合で撮られている。しかもカメラは1台がキホンなので、細切れでセリフを言っては、光やカメラ位置を変えて、次のシーンに行くという進行なのだろう。これは時間がかかるし、多くのスタッフが必要になる。もちろん俳優の拘束時間も長くなる

今はデジカメを複数台用いていろんな位置から撮影。俳優は通しで長めのセリフを言ってシーンを撮り切る感じかな。制作費を考えると後の編集に頼って、トリミングや明るさを整えればOKという流れだろうね

銀塩時代     現場で完璧に撮り切る
デジタル時代   後処理で何とかする

ということだね

空撮がスゴイ。断崖絶壁の上にいるコトー先生をヘリから撮るシーンだ。崖っぷちというのは気流が安定せず飛行がキケンなのだけど、結構近づいて決死の撮影をしている。現在の安全基準だと飛べないかも。また高性能なブレ防止も無い時代なので、仕上がった画像は結構ブレブレだ。ドローンも無いので、ヘリを沖縄本島から往復させるしかなく多分100万円コースの映像だ

この人気の「Dr.コトー診療所」が16年ぶりに昨年、続編として映画公開された。テレビでは費用面で制作が無理だろうから、収益が見込める映画による公開だ。興行収入は24億円で2022年度の邦画21位、コトーファンは根強かった

当然僕も観に行ったが、すべてのメインキャストが再演するという上映に驚いた。しかも、全員大きく体型もかわらず、時の流れを感じさせない容姿を保っている。地味に日本人の凄さを感じたのは僕だけじゃないだろう

僕は懐かしい俳優さんたちを観るだけで大満足だったけど、ネットの書き込みを見るとラストシーンに酷評が集まった

診療所に野戦病院のごとくケガ人が運び込まれるわけだけど、コトー先生はなぜかトリアージ(優先度)を無視して、世話になった老人のオペに入ってしまう。懸命なオペで老人を救い、「助かりましたよ」という感じで、オペ室の外にでると、なぜか大勢のケガ人はいなくなり、病院は静まり返っている。あの瀕死の人たちはどこに行ってしまったのだろう。意味不明のまま無理やり感動的な中島みゆきのエンディング曲が流れる

確かに制作費の制限なんかもあって、伏線を回収できないまま公開するしかなかったのかも。コトーファンとしては少し残念な映画だったけど、わざと「消化不良」を起こさせて、さらに続編で「口直し」させるという高度な狙いがあるのかもね

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