もう僕の年になると完全にリタイヤして、好きなことだけやって暮らしている仲間も多い。資産家の知り合いなんかは、高級車に乗ってグルメの旅によく出かけている。うらやましいと思いきや、本人は「自分が贅沢しても死んだら終わり! 後進に何か残さねば」と悩んでいる様子。資産があれば幸せになれるものでもない。あったほうが良いに決まっているけど

よく何かを残すため「自伝」を書く人がいるけど、後進に読んでもらって(反面教師として?)学ばせる意味もあるのかなぁ。問題は読んでくれる人がいないこと。ホントなら書籍として出版すれば良いけど、有名人じゃないと無理だろうね。そんな波乱の人生なんて少ないだろうし
写真愛好家だと「自伝」じゃなく、「写真集」を制作する人が多い。僕も写真愛好家に接する機会が多かったので、たくさんの「写真集」を観せていただいた。テーマを決めて10年くらいかける人はざらで、50年くらい前からフィルムで撮りまとめている「見ごたえ」ある写真集もあった。でもその立派な写真集も亡くなったら残らないかも、と察してしまう悲しい面もある
読売新聞の都内版に「秋山武雄の懐かし写真館」という週1回10年以上続く人気連載がある。掲載写真は秋山武雄さんが70年以上に渡り、浅草かいわいの人々の生活を撮り続けた貴重な記録だ。秋山さんの本業は浅草橋の洋食屋。同かいわいの戦前戦後を収めた木村伊兵衛先生は有名だけど、戦後から現在をライフスタイルとして撮り続ける秋山武雄さんもスゴイと思う。ちなみに秋山さんの写真集が出版されている。自伝を書かずとも足跡が残せてうらやましい

話はさらに進むけど、みんなは自分が撮った写真が亡くなった後にどうなるか考えたことある?iPhoneだとiCloud上に残っているけどアカウントを引き継ぐ人なんていない。今だとSSDに画像保存している人が多いと思うけど、それも孫の代まであるとは思えない。その上、跡継ぎのいない人が増えている。一般の人が写真を残すとしたらSNSしかないのかなぁ。それも本人が亡くなり、更新のないまま放置されていると、そのうちアカウントが運営側で削除されるかも知れない。そう考えると投稿した後にバズって拡散しないと残らない
その点、職業カメラマンの撮った写真はどこかに足跡を残す。例えば、商業カメラマンなら卒業アルバムなどに残ってゆく。ギャラをもらって仕事をすると足跡まで残せるのだから、幸せな仕事だと思う。僕だったら1000年後は無理かも知れないけど、100年後は雑誌や縮刷版などのデジタルデータで足跡が残る。問題は使わなかった「やれ」と言われるSSDに入った画像データだけど、引き継ぐなんて絶対ムリだなぁ。そもそもSSDのデータは何もしないと10年くらいで消えることがあるらしいので、リライトするなりメンテが必要。クラウドに入れても維持費がかかるし
そんな写真の将来のことを心配しても仕方ないけど、どんな画像が残ってゆくのか僕には興味があるなぁ。人類はあらゆるものを継承してきたのだから、どうにかなるのだろう。楽観的に考えるとAIさまがテキパキと働いて継承しているかも知れないね

ストックフォトの終焉
挿入したロボットの写真はphotoshopの生成AI機能で作ったもの。「パソコンに向かうロボット」と入れれば生成できる。著作権フリーの画像が簡単に入手できるのだから、今後はストックフォトから買う必要なんて無いよね。それは写真の単価が下がることを意味するので他人事じゃないけど
