写真

料理撮影(後編)

前回に続き、料理撮影についてウンチクを語るね。新聞社のカメラマンは、事件事故、スポーツなどの撮影が花形だ。逆に料理撮影は準備も不十分なまま現場に入り「写っていりゃ良し」的な雰囲気がある。それでも銀塩時代は撮影自体が難しくて確実に撮れる僕らは重宝された

でも待てよ。前編で話した通り、今はiPhoneで誰でもキレイに撮れる。なので写っているだけじゃ僕らの存在意義がないのだ。特に年配は、そこの認識が甘くて、銀塩時代の記憶を引きずっている人が多い。ライティング機材なんて、ここ数年で飛躍的に良くなっているのにね

僕はそれが許せなくて、写真の学校に通い、有名な料理写真家のT先生から教わったことがある。T先生は大掛かりなセットで時間をかけて収める正統派の写真家だ。それを見習い、自分のスタイルに落とし込んだ撮影方法を説明するね

<天トレ>

カメラマンの中では料理の上、天井にトレーシングペーパーを広げて、ストロボを発光させる方法を天トレという。これは料理に部屋の明かりや窓の光が映り込まず、柔らかい光で料理をつつみこめる。僕が習ったのはこの方法、職人的なスタイルがクライアントさんに受けるかも知れないけど、「設置が大変」「細かいセットの組み換えが大変」など問題もある

天トレの撮影実習風景

<僕のキホンスタイル>

トレペの代わりに白く透けたルーセントのレフ板を使ってトレペを再現させる方法。簡単だと思うけどYouTubeチャンネルなどで実践している人を見たことがない。これのメリットは「設置時間が短い」「角度や高さをすぐに変えられる」「狭い厨房などでも設置可能」という点かなぁ

現場風景。入念に食器の選択を行っている

以下が基本スタイル。set.a.light 3Dというシミュレーションソフトで撮影現場を再現した。セットは意外と簡単で、驚くようなキレイな仕上がりで収められる。問題はセッティングで、「ルーセントの角度」「光源の位置」など料理によって細かく調整する

赤いのはカメラ
撮るとこうなる

あぁ、ここまで書いていて料理撮影のコツをほとんど解説できていないなぁ。あとレンズの選び方とか料理の配置とか注意点は多い

ゴメン、細かくやれば10回コースか動画ということになるけど、誰でも簡単に撮れる方法を最後にお伝えするね

<壁バン(壁バウンス)>

クリップオンストロボと白い壁があれば、信じられないほどキレイに撮ることができる。料理を壁の近くに置き、ストロボ光を壁に当てるだけでバッチリ。コツはストロボ光を直接料理に当てないこと。気付いた人もいるよね。窓の光に似ているのでとても柔らかい光を再現できるのだ。家で適した場所があれば、いつでも簡単に料理写真が撮れる

クリップオンの角度調整でいろんな表現ができる
窓のような、柔らかい光で撮れた

まぁ、いろいろ説明したけど「壁バン」が一番楽なのでオススメだなぁ。あと料理撮影で絶対に外せないことがあってそれは「料理を出されたら、おいしくいただくこと」。それができないとせっかくキレイに撮っても現場の雰囲気が悪くなる。T先生に最初に教わったことだ。仕事とはきびしい・・・

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