以前、モノが汎用化して売れなくなる「コモディティ化」について語った。身近な製品ではパソコンやスマホ(以下デバイス)だ。SNSやブラウザしか使わないのであれば、数万円のデバイスでしばらく使えるものね。「新機種は売れねえだろなぁ~」というのも分かる

ところがAIというゲームチェンジャーが突然現れた。すでにデバイスでChatGPTは使えるけど、処理はクラウド上で行っており、反応速度に問題がある。また情報がクラウドを通して外部にもれる可能性もある。少なくとも開発者がクラウド上でタスクを解析しているのは確かだ。それらの問題を解消するために、AI処理をクラウドからデバイスに移行させる「エッジAI」という流れがある
有望視されているのが通訳機能だ。今でもクラウド上で行う通訳ソフトは存在するけど、反応に数秒かかったりするので使いづらい。回線事情が悪いと使えなかったりもする。これじゃダメなので、端末内にAI機能を持たせて、リアルタイムで通訳させようというのが大きな流れだ
例えば、日本人、米国人、フランス人との3者通話をスマホで行うとする。僕が日本語で話すと、相手は英語、フランス語で聞き取り、相手の言葉が日本語で返ってくる。音声も相手の声質で抑揚をつけてくれる。話していると相手が外国人なのを感じないくらいだ。SFの世界が実現するのだ

YouTubeで英語のセリフを日本語字幕で出せるけど、翻訳の精度が悪かったり、不明瞭な部分が抜けてしまうことがある。AIのスゴイところは会話内容を理解し、不明瞭な部分を補足するのはもちろん、文章のゆらぎを正してくれたりする。要するに、プロが行う「文字起こし」「翻訳」「校閲」などをリアルタイムで行ってくれるのだ
「エッジAI」に対応したデバイスが年末年始には発売されるらしい。今、デバイスを更新予定の人はビミョウな時期だね。年末に買い替えるとしても、当初はメチャ高い。広く普及した2-3年後は安くなると思うけど、それまで待てないものね
オススメは、1-2年可能ならガマン、待てない人は安いデバイスに乗り換えて、様子を見ながら「エッジAI」対応する感じかな。少なくとも高額な「エッジAI」非対応のデバイスはすぐに買うべきじゃないと思う
今回はデバイスについて話したけど、AIの応用範囲は広い。高齢者の話し相手をするロボット、プロを再現する家電製品、自動運転車、医療機器、弁護士や公認会計士など「士業」と呼ばれる分野への応用などAIによって大きく変わることは確かだ。AIの応用はそれぞれ難易度が異なるので、時宜を得た分野から実用化され、気がつけば世の中AIだらけになりそうだ。ニンゲンさまのやることは減るけど生産性は上がるので、暮らしは楽になるかもしれないね