先日、ケーキの商品撮影があった。インスタ用、ポスター用、プレスリリース用などの撮り分けもあり、6時間ほどかかったが何とか予定通りに撮り終えた。ずいぶん前に広告写真の一線で活躍する写真家に「物撮り」を習ったことがあり、それを基に僕は現在にいたるが、アシスタント経験があるわけでもないので、習いきれていない部分も見え隠れする
ケーキの撮影で難しかったのは、絵コンテどおり、同じ角度、同じ画角、同じ大きさに撮ることだ。報道カメラマンのころはそのような経験がない。コンテを見ながら三脚の高さを変えたり、レンズを変えたりして、画角が決まるのに1品あたり10分くらいかかってしまった。また撮った画像を見せると「背景紙を変えたい」なんて仕切り直しも何点かあった。その結果、時間がかかりヘトヘトになるのは当然だ
次の日に納品のための画像処理を行いながら、単純なことに気づいた
カメラを動かす必要がないのだ!
まず、しっかりとした三脚にカメラを固定。カメラの角度や画角を決めたら、ファインダーを見ながらお皿や装飾品を配置。それらを見えないようにテープで固定して、最後にケーキを載せればよいのだ。カメラが動き回ること自体間違っている
報道写真では『自分から動け!』と教わったが、物撮りではその教えが逆効果となる場面もある。一般的にはプロ、アマ問わず自分から撮影ポイントを探して動き回ることは当たり前で、固定したカメラ前で被写体を配すなんて考えないものだ。僕なんてまだマシなほうで、報道カメラマンの95%くらいは撮影時間がかかるので三脚も使わないものね。手持ちでいろんな角度からたくさん撮り、後から選ぶという感じだ。これじゃ被写体が変わった時に画角の再現性はない
ミラーレス時代に入り、さらに物撮りは進化している。絵コンテの画像をパソコンで映し出し、ファインダーに見える画像と重ね合わせながら寸分の狂いもなく撮れるのだ。こうすればカメラを動かすことなく、パソコンに映った半透明の絵コンテの位置に、被写体を置いていくという作業になる。次回からはこの作戦で行こう。撮影時間は6割位に短縮できるだろうね
最近はカメラが進化し、ゆるい「物撮り」なら誰でも撮れるようになった。その中でギャラを払って撮影依頼してくれるクライアントさんなので、あらゆる技術を持って撮影に望むのは当然だろうね。そうじゃないと差別化できないし、信頼も得ることができない。最近、写真が好きで作家風の写真で参入する副業カメラマンも多いけど、「物撮り」に関しては「作風」よりも「撮影技術」が重要だと思う