写真スタジオを持っていないので、よくレンタルスペース(以下レンスペ)を借りて人物撮影などを行う。レンスペとはマンションや一軒家を時間貸しで撮影や会議スペースとして使える。いろんなタイプがあるけど、狭い15平米ほどの証明写真くらいしか撮れない場所では1時間で1000円ほどだ。芸能人を撮るような本格的スタジオは1時間2万円くらいするので比べると格安なのだ。ただし、写真スタジオじゃないのでバック紙やライティングセットなどを持ち込む必要があるけどね
最近、都心はレンスペが乱立状態、借り手の僕としては予約に困ることなく利用させてもらっている。今回は都心のレンスペ事情について解説する
そもそもこの乱立は都心の不動産バブルが原因だ。2013年4月に「黒田バズーカ」と呼ばれる日銀の金融緩和が始まり、銀行から借りる際の金利が2%くらいまで下がった。単純に1億円のマンションをローンで買っても年間200万円の金利だ。当初は日銀も2年間ほどの時限処置だと明言していたものの、デフレから脱却できず、何度も先延ばしされている。低金利下の金余りが続き、この10年で都心の中古マンションは70%くらい値上がりした
そうすると値上がり狙いで不動産を買う人が増える。ただ持っているだけでは金利がかさむだけなので、多くは賃貸に出す。しかし、賃貸には「売りたいときに売りづらい」というデメリットもある。そうだよね。家族で住みたい人は空室じゃないと買わないよね
そこで日本人って考えるよね。レンタルスペースで日替わりで貸すということ。これなら売りたいときに売れるし、日銭だって入ってくる。稼働率が50%もあれば賃貸と同じくらいの収入になるようだ。土地を買って更地を一時的にコインパーキングとして活用するような感じだね
ただ毎日いろんな人が出入りして部屋を汚されないか心配なのだけど、これも日本的だねぇ。注意書きに「帰る際は原状復帰して、ゴミは持ち帰ってください」と書いているだけでトラブルは皆無らしい。僕も使ってみて荒れ放題の部屋を見たことが無い。海外で同じことをやると、部屋は荒らされ、テレビなどを盗まれるのがオチだろう。一度レンタルすると部屋の入室手順が分かるので、不法占拠されるなんて考えられる
そんな「日本人の高いモラル」「不動産の高騰」というピースが揃い増えたレンスペだけど、最近はさすがに供給過剰で、雲行きが怪しくなってきたようだ。日銀も低金利政策の修正に動き出したし、上がりすぎた土地に対して1998年に停止されている「地価税」を復活させるという話も出ている。金利は上がり、不動産は下がるとすると、レンスペの収入じゃ金利を払えなくなり淘汰が進むだろうね。それでもレンスペの値下げ合戦は止まないだろうね。カメラマンの僕としては見逃さない手はない