雑感

写真スタジオ

都内で写真スタジオといえば、「六本木スタジオ」「スタジオエビス」「松濤スタジオ」が有名だ。どこも白ホリがあり、10名くらいを余裕で撮れる広いスタジオがいくつもある。スタジオマンも優秀で、「こういう写真が撮りたい」と言えば即座にライティングを組んでくれる。ただし、ライティング機材を借りると費用がかかる。自慢じゃないが、貧乏な僕は機材をすべて持ち込み、セッティングも自分で行う

こういう写真スタジオの特徴は、立地が良く有名人がお忍びでアクセスできることだ。松濤スタジオは渋谷区のNHK放送センターのそばの奥まった場所にある。僕が通っていた写真学校と松濤スタジオが同じオーナーだったので、研修でよく使わせてもらった。番宣で行くと、母校に帰ったような懐かしさを感じるが、なじみのスタジオマンは卒業していない。スタジオマンからすれば「妙に松濤スタジオの作法を知っているカメラマン」という印象だろう

写真学校のスタジオ研修が役に立っているかといえばビミョウだ。有名スタジオのライティングは大げさで小回りが利かない。大きな機材をしっかりと固定してセットしていくので、少しの変更にも10分ほどかかる。僕の場合、5分程度しか撮影時間がもらえないことが多く、大がかりなライティングはかえって扱いづらい

話は変わるが、例えばハリウッドスターの広告写真を撮る場合を考えてみよう。おそらく関係者は20人ほど立ち会い、大手スタジオを1日借り切って、3時間かけてセットを組む。テスト撮影には背丈の近いスタンドインモデルを用意する。完璧な準備を終えて関係者が見守る中、撮影自体は長くても30分で終わる。こういった本格的な撮影には大手写真スタジオが最適なのだ

最近は時間と費用をかける撮影が減ってきている。1時間2万円ほどのスタジオを5時間借り、レンタル機材やヘアメイクなどを含めると20万円はかかってしまう。

僕がスタジオを借りるときは、せいぜい1時間5000円程度の場所が多い。都内はスタジオが飽和状態なので、「白ホリ」「バック紙あり」「ストロボなど機材使い放題」というところも少なくない。持ち込み機材が減り、往復のタクシー代が浮くこともある

それでも「スタジオを借りる」こと自体、予算に余裕がある方だろう。スレッズの書き込みを見ていると、「相互無償」という形で撮影者と被写体の間で金銭のやり取りをしないケースが多い。そういった場合、スタジオを借りるという発想自体がないのだ

写真は結果がすべてだが、時間と費用をかけても評価されないことが多い。そう考えると「スレッズの住人」の発想は正しいのかもしれないね。ただし、これは「うまく撮れなくてもOK」という考えの上に成り立っている。プロ目線でいうと「必ず合格点」を求められるため、費用がかかってもスタジオを選ばざるを得ない。一度でもダメ出しされるとクライアントは離れてしまう。スレッズのように簡単に見つけられないのがクライアントさんなのだ

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