インスタやXなどSNSに投稿される写真の98%以上が、スマホで撮られているらしい。家族や旅行などの日常写真も同様だろう。僕が関係ある雑誌・広告でも、用途にもよるが少なからずスマホで撮られている。ただスマホじゃしっかり撮れないので、僕は仰々しいカメラしか使わないけどね
調べるのは難しいが、世の中で目にする写真の90%位はスマホの撮影と思われる。それは写真に留まらず、動画も同様だ。YouTubeで公開された是枝裕和監督作品「ラストシーン」を観て驚いた。iPhone 16 Proですべて動画収録したらしいが、クオリティが素晴らしくそのまま映画館で公開しても遜色ないレベルに仕上がっている。これまで数百万円もするようなカメラで撮っていたのに、数台のiPhoneと少ないスタッフで映画が制作できてしまう
スマホの台頭と真逆に簡略化されてきたのが「照明機材」だ。例えば表参道でポートレートを撮るとしよう。以前はレフ板やストロボを助手が持ち、横にデザイナーと編集者が同行するような光景を目にした。今は経費節減もあるが、カメラマンと編集者だけで光のコントロールを行わない場合が多い。撮影機材がフルサイズミラーレスであっても、スマホの影響が現れているのだ
スマホで撮る時に、場所とポーズは気にするけど、ストロボやレフ板まで使う人って少ないよね。結果、顔が暗くなったり背景が白飛びしたりするけど、それが見慣れた写真になってしまい、逆にライティングをすると違和感を感じるようになる。要するに「そのまま撮るほうが自然で良い」と評価軸が変化しているのだ。それなので前記のポートレート撮影も自然光が許容されるのだ
最近のドラマでもそれを感じる。例えば、海岸の逆光での場面。以前だったら表情が分かるように、巨大レフ板で光を当てていたが、今じゃ逆光のまま撮られることが多い。表情が分かりにくいが視聴者側も評価軸の変化しているのでクレームが来ることも少なくなっている。制作費が削られる中、自然光撮影は渡りに船ということだ
「照明機材」を使わない撮影が増える中、僕は手を抜かずストロボを使い続ける。新聞社時代と違ってクライアントの要望に沿って「自然光のようなテイスト」で撮ることが多いけど、自然光に任せるだけじゃ光が安定しない。それなので、ストロボを使って窓辺や木漏れ日を再現したりする。そうすれば、僅かに表情をみせるような微妙な光も作り出せるので失敗が少ない
そのためにストロボを揃えているが、最近ではスタジオさんが扱いやすいProfoto(プロフォト)を増やしている。気がつくとモノブロック(25万円)2灯、クリップオン(10万円)4灯を所有することに。ペットを育てるのと同じで、ストロボが増えると故障頻度が増加するので世話が大変。自然光で撮る若いカメラマンが増えているけど、逆に僕としては少数派で絶滅危惧種に指定されても、ストロボにこだわりたいね
モノブロック2灯(左)、クリップオン4灯を使用中#主役女優の福地桃子さんって以前撮ったことあるけど、いつも演技が自然体でうまいねぇ