雑感

100年後の質問──僕の化身が答えます

アニメ「薬屋のひとりごと」のシーズン2が最終回を迎えた。ラストシーンで主人公の猫猫(マオマオ)に宛てられた手紙に感動した。差出人は文字を懸命に習っていた妹のような存在の小蘭(シャオラン)。会えなくても想いが届く──文字の力を改めて感じた瞬間だった

日本に残る最古の文字は奈良時代681年ごろの藤原宮跡から出土した木簡(もっかん)とされている。縦長の木の札に墨で記された文字は、紙がまだ高価だった時代の知恵。削って何度も再利用されながら、情報を次代へ紡いだ。まさに「文字の蓄積こそ文明」という先人の気付きだ

だけど、AIの出現により蓄積の手段が大きく変わろうとしている

例えば、会議やセミナー

これまでは音声や動画を保存し、それを文字起こしして要点をまとめるなんてしていたけど、AIに頼めば1分もかからず、文字起こしはもちろん要点整理も、それ以上の精度で仕上げてくれる。だけどここまでの作業は木簡時代と大きく変わらない。最終目的は「文字の蓄積」にあるからだ

それがこの1年くらいでAIが大きく進歩した。
「このセミナーで〇〇先生はどういう考え?」などと聞けば音声の内容から推測して答えを返してくれる。それこそ〇〇先生のセミナーの動画を何百本も入れれば、AIがまるで本人のように答えてくれる

これまで音声や動画は紙に残せなかったけどプラットフォームがデジタルになったので文字以上の価値が生まれるようになったのだ

Google検索なども大きく変わるだろうね。例えば「木簡」と打つと「この動画で詳しく語られ、このようなことを言っています」みたいな検索ができるようになる。動画の弱点である「観るのに時間がかかる」問題も動画から要点だけが導き出せるようになる

木簡の時代から最近まで基本は文字の蓄積化だったけど、これからの数年で大きく残し方が変わるだろう。例えば大学教授の動画や音声を蓄積し化身を作り、マンツーマンで教えてもらうことも可能だ。要するに文字の蓄積を超えて、亡くならない知の伝承者が増えることになる。小蘭からの手紙も感動だったけれど、時間を隔てて会いたい人に出会える──そんな時代がすぐそこまで来ているね

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