「デジタルは銀塩に勝てない」
デジカメの普及が始まった2000年頃、有名写真家から聞いた言葉だ。確かに当時はニコンだとフラッグシップ機のD1でも274万画素だ。大きくプリントするとノイズや解像度で劣り、速報性を重んじる新聞の1面トップでも、キャビネ判(13×18cm)程度の掲載が限界だった。写真家によると、銀塩は化学処理なので階調が豊かだという理屈だったが、数年後にはデジカメが完全に追い抜いてしまった
プリントを扱うプロラボもデジタル化して暗室作業がなくなり、フィルムをデジタルスキャンしてプリンタに出力するようになる。そうなった時点で銀塩にこだわる理由はなくなる。結末として需要の少ないフィルムは高騰、現在では36枚撮り1本で約8,000円(ポジフィルム+現像)もするので、「仕方なくデジタル化」した写真家は少なくないだろう
それでもあえて銀塩を使う人がいて、理由として性能よりも、昭和的なエモい感じが良いのだろうね。その証拠としてデジカメだけどフィルムのような味わいで撮影出来る「FUJIFILM X half(約11万円)」が人気だ
出遅れつつデジタル化した写真家だが、容赦なく次の試練が待ち受けていた
「ミラーレスの登場」だ
ここでも
「撮れる写真が同じなので関係ない」
言い張る写真家は多かったけど間違い。実際使って語って欲しいけど
コンサートなどで無音で撮れる
レンズ性能が格段に向上
暗いところでも見やすいファインダー
瞳AFなど精度の高いAF
軽量なボディ、レンズ
こういうメリットを挙げると枚挙にいとまがない
特に僕がメリットに感じているのは、レンズ性能の向上だ。デジタル一眼時代だと、縦で使う場合は縦位置で撮っていたけど、レンズ解像度が上がり最近は横位置で撮って縦にトリミングすることが多くなった。ネット用と雑誌用と同時に撮ることが多いので、基本は横位置で撮れると便利なのだ
あとAF精度もミラーレスは素晴らしい。メガネを掛けている人を撮った場合、デジタル一眼だとメガネにピントを合わせるしかないけど、ミラーレスはミリ単位で瞳に合わせてくれる
「銀塩→デジタル」よりもミラーレス化は変化が少ないので、デジタル一眼に居座る撮り手は多い。でも1日でも早くミラーレス化をお勧めする。慣れて使いこなせるまでに半年はかかるから
昨夜もカメラマン仲間の集まりがあって
「ミラーレスに移行したいけど高すぎるよね」
という話が出て、費用面でも二の足を踏むケースがあるようだ。
50万円のボディ2台で100万円、5年償却でも1年で20万円。またカメラ性能を引き出すために、専用レンズを買うしかなくそれにも100万円近くかかるだろう。確かに高い、その上スキルマーケットの1日1,000枚撮って15,000円といった単価の安い仕事じゃ割に合わない。物価高なのに給料が上がらない日本の経済の縮図みたいだね
ただ、機材と技術が揃っていないと単価の高い仕事が来ないのも確か。ミラーレス化しないと仕事は限られてくるだろうね