前回はストロボ(ProfotoのB10X)に使うシンクロユニット「ぴかじろう」を紹介した
3Dプリントのためにユニットを図面化するのが大変で、その前段階でB10Xの採寸が重要になる。筒状のB10Xにユニットをピッタリ被せるには0.05mm単位で正確に測る必要がある
そこで必要なのがノギス。懐かしいなぁ、たぶん中学校の「技術家庭科」の授業以来だ。授業で大きめのボルトとノギスを渡され、採寸して製図に起こした
せっかくなのでミツトヨという一流メーカーのノギスを注文。シンプルで精密、さすが日本製だ。これで5,000円なんて安すぎる
採寸を始めて数分で重要なことに気づいた
ストロボ外径100mm
液晶の幅50mm
など「美しい寸法」がメモに並ぶ
「ノギスいらないかも」
想像だけどProfotoの製品づくりは
コンセプト→デザイン→美しい寸法→内部の設計→価格決定
という流れなんじゃないかな
Profotoはスウェーデンのライティング機材の専業メーカーで、プロの使用に耐えつつデザインに優れる製品で有名。一番安いクリップオンストロボでも15万円ほどと高いが、作りたいものを作って後から価格を決めている感じがする。スタジオで世界標準と言われるProfotoだけができる物作りだと思う
日本の工業製品は
コンセプト→価格設定→機能の選択→デザイン→内部の設計→最終価格の決定
みたいな流れだろうからデザインの前に仕様が決まるので「美しい寸法」なんて考える余裕もないだろうね。しかも日本製は落下時の耐久性や、修理の作業性まで考えるのでデザインは後付になりがちだ
確かにデザインの良いProfotoは使っていると喜びを感じるけれど、ちょっと落とすだけでストロボの台座が折れてしまったり、耐久性は高いとは言えない
販売戦略としてはProfotoのデザインをまねて、安価で提供する中国のGodoxが成功を収めている。例えばProfotoのA10は新品が15万円、重修理で3万円ほどかかるけど、その修理費でデザインや性能がそっくりのGodox V1は新品が買えてしまう。修理するなら新しいものを買ってくださいというスタンスだ。Godoxの販売戦略はすごいけど、「美学」は感じられないね
Profotoの「美しい寸法」に対して正確なノギスは不要だった。けれど何度もノギスに手を伸ばす。ミツトヨのノギスはシンプルでスライドした時の「スーッ」と動く感覚など心地よい。60年以上も地道に改良を重ねた信頼感が伝わってくる
出会うことの少ないProfotoとミツトヨ。勝手に感動しているのは僕だけだけど、こういう出会いが化学反応を起こすのだろうね。不要だった5,000円のノギスも触媒としては安い買い物だったね