雑感

報道カメラマン、注目動画で脚光を浴びる

「支持率下げてやる」

この一言が偶然ネットの生配信中の動画に紛れ込んだ。10月7日、自民党・高市早苗新総裁の記者会見前の出来事だ。マスコミの偏向報道が指摘される中、この動画は瞬く間にSNSで拡散された

発言者は時事通信社のカメラマン。「自社男性カメラマンの不適切発言で厳重注意した」と謝罪が発表されるが「厳重注意で済ませるな」という声がまたSNSを駆け巡った

擁護するわけじゃないけど、このネットの反応もやや偏向してると思う。なぜなら通信社って新聞社や放送局などの「オールドメディア」とは違う。「ニュースを報道する」のではなく、「加盟社の報道機関に素材を配信する」のが仕事だ。つまりメディアではなく、その前段階に位置する「素材供給業者」である

通信社は中立的な立場で配信することが求められる。けれど加盟社は政治的立場がばらばらだ。よって原稿も加盟社が使いやすいように右寄りと左寄りを意識した内容が配信される

例えば高市さんが首相に選出されれば
「期待高まる高市政権」「少数与党の不安定な船出」
などのような配信原稿が書き分けられる。時事通信社のカメラマンも支持率が下がるような写真ばかり撮っていてはデスクに怒られるのだ。よって問題発言に関係なくしっかり撮影を終えたと思う

政治に限らず撮影現場での会話は気をつけるべきだろうね。今の若手は小声でおとなしい人が多いが、コミュニケーションを大切にする年配は要注意。よくあるパターンだけど、芸能人を撮った後にマネージャーから「ほうれい線を消して」「目を大きく」などの注文を受けることがある

現場は関係者ばかりで問題ないと思うが、もしこの会話が録音され拡散されたら、その芸能人は再起不能になるかもしれない。特に最近はSNSで一度拡散されると、発信元を消去しても画面や動画ファイルを保存した「デジタルタトゥー」が半永久的に残る

僕はそんなリスクを回避するため、写真の要望を聞くときは誰もいない別室に行くことが多い

報道関係者って境界線を少し越えれば報道される「ひとり報道機関」の立場にもなる。何気ない雑談が巨大ブーメランで戻ってきて、自身の支持率まで爆下がりする。聞かせるつもりのない言葉ほど、ネット民は欲しているものね

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA