雑感

金という奇跡

スイスの研究施設で鉛から金を作り出すことに成功、その発表に驚いた

紀元前1世紀頃から追い求められた錬金術に終止符が打たれた瞬間だ

ただ錬金はできたけど、1gの生成に最低でも数億円もかかる。現在の市場価格である1g27,000円前後のレベルはほぼ不可能らしく、心のざわつきは一瞬で消えてしまった

そもそも金ってなぜ高いか?その理由は大きく3つ

採掘量が少ない(50mプールで3杯分程度)
腐食しない
産業用途で不可欠

昔から不変の宝飾品や工芸品として扱われたが、最近では腐食しにくいので接点などの電子部品で必要になり奪い合いなのだ。似た性質を持つ金属に銅、銀があるが腐食しやすいのが欠点だ。3300年ほど前のツタンカーメンの棺が今も輝きを放ち、特に約110kgもある純金製の最内棺部分はほぼ当時のままだ。いくらミイラに手を施しても朽ちてゆくが、金は時を忘れたように残る。これが資産としての金の特徴なのだろうね

現代ではスイッチやコネクタの接点に金を使うことが多く、錆びにくいので接点不良を起こしにくいのが金の特徴だ

ノートパソコン1台で約0.1gの金が使われ、10万円のパソコンで3,000円近くが金の価格というわけだ。仮にノートパソコンが3000年後に発見されたら、やはり金の部分だけは残っていると思う。要するに腐食や経年劣化を避けるには「金を使うしかない」のだ

それなので貴重な金のリサイクルが盛んだ。「都市鉱山」と呼ばれる壊れた電子部品などから金やレアアースを取り出し再利用するのだ。技術が進み金を1g取り出すのに数千円のコストで済むらしい。1g27,000円で売却できれば20,000円の利益になる。廃棄物処理などの技術が必須ですぐに他社が参入できる業種ではないのでまさに「ゴールドラッシュ」なのだ

そういえばノートパソコンを廃棄するとき、最近は壊れていても無料で引き取りが増えている。調べると「都市鉱山」となる基板を廃棄業者が1,000円前後で引き取っているらしく、それに中古で販売可能なCPUやメモリなどがあれば価値があがる。無料廃品回収された品がゴールドラッシュの「都市鉱山」に運ばれるというわけだ

先日、高市総理が対米投資の計画の一つとして「人工ダイヤの製造」が挙がっていた。金と同様にダイヤも劣化せずいつまでも輝きを放つが、こちらは最近工業製品として製造が可能だ

「あれ、ダイヤは作れるのに金は難しいのはなぜ?」

と思う人がいるかも知れないけど、金は元素の名前、ダイヤは炭素がダイヤモンド構造をしたフォーメーションの名前で、意味が違う

運動会の騎馬戦を想像してもらうと、無敵の騎馬戦のフォーメーションをダイヤモンドと呼ぶとするなら、金は出場している選手を指す。よって山田くんを佐藤くんにするのは不可能なのだ

そんなことを考えながら昔覚えた元素の周期律表を見直してみた。それぞれ元素には性格があり面白いね

錬金術はついに成功した

それが採算に乗るかは人間の都合だが、金の性格は変わらない。3300年前の金の棺、パソコンや工芸品など、関連や用途も時代もまったく異なるのに、3000年後に残るのは、きっと金の部分だけだ。それを想像するだけで金の持つ性格に奇跡を感じる

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