雑感

締切りのある世界

ごめん!先週は撮影データの納期に追われコラムの入稿が遅れてしまった。これが雑誌などの媒体だったら大変なこと。連載小説などと違って、ストック原稿を用意できるので作っておくべきだね

ちなみに、新聞の4コママンガには季節ネタなどを使ったストック原稿がある。以前「急に海外出張するので5日分ストックを出稿します」という感じの作者がいたので驚いた。アイデアがどんどん浮かび締切りに困らないタイプなのだろうね。うらやましい!

新聞社時代、社内カメラマン向けに「写真記者塾」という連載の小冊子を書いていた。芸能人や料理、物撮りの撮影例などを使いながら、実際の紙面を題材にフローを解説する内容だ。ただし内容の多くは著作権や肖像権の関係で社外には出せない。問題のない範囲でその一部をお見せするが、専門性が高くカメラ雑誌では絶対に見られない内容だ。隔週発行。全部で36号、1年半の連載は大変だった

1号あたりA4で3ページの内容、全国の100名ほどに配布する小規模な冊子とはいえ、対象は撮影、文章ともに練達なカメラマンたち。下手なことは書けない。満を持して5号分のストックを用意してからスタートした

その頃は、朝8時に出社して、平均2.5件ほどの現場撮影をこなし、それらすべてを入稿しないと帰れないので、退社は午後7時前後。さらにその合間で担当紙面の原稿を書いたりもするので「写真記者塾」を書く時間がない

それでも平時はなんとかこなせていたが、五輪などが始まるとカメラマンが東京から姿を消す。その余波で撮影は4~5件ほどに増え終電で退社することも。半年ほどでストックは尽き、それからが本当の試練だった

通常は撮影の待ち時間に作例や機材の配置などを撮影し、それを教材として掲載する感じで進む。でも7割くらい書いた時点で「やっぱり違うな」と考えテーマを変えて書き直すこともあった。大まかなコンテを作って始めれば良いのに、苦し紛れに僕が「一発書き」を行うとこうなる

1度も原稿を落としたことのない作家の話によると、締切りが2週間あっても、最初の5日くらいで入稿するのが基本だそうだ。報道的な感覚だと締切りギリギリまで引っ張って、最新のネタを基に書き上げるのが良しとされているが、それを鮮度にあまり関係のない「写真記者塾」に当てはめたのが間違いだ

編集者目線では意外なケースが好まれる

ケース1) 80点の原稿を締切り5日前に入稿
ケース2) 95点の原稿を締切り直前に入稿

みんなはどちらが良いと思うかな?ドラマだと「ケース2」しか考えられないけど、実運用として「ケース1」のほうが編集者には好まれる。また締切りを守れない人に限って最終のゲラチェックで大幅な直しを入れてきたりする

特にこのコラムは編集者に入稿するわけでもなく、依頼されて書いているわけでもない。そういう状況で1週間に1度の掲載は難しいものがあるけど、読んでくれる方が少なからずいるので、続けられている面もある。FacebookやXなどのSNSの投稿が似た世界なのだろうなぁ

今回は締切りにこだわったが、書いてゆくうちに新たな発見があった

締切りのある業態=オールドメディア
新聞、雑誌、テレビなど

締切りのない業態=ネットメディア
ニュースサイト、SNS、動画サイトなど

と分類すると「締切り」の有り無しでキレイに分類できる。導入でお詫びから書き始めたけど、その「締切り」にこだわる僕こそオールドメディア的なのかも知れないね。決めた以上は日時を守ることは日本人的で良いとは思うが、ネットで公開するこのコラムは、少し運用を見直したほうがいいのかもしれないね

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