10年くらい前の話になるけど、後輩カメラマンが写真展を行った。会場のオープニングパーティを盛り上げるために、その後輩が知り合いミュージシャンを呼んで弾き語りをしてもらうことになった。僕も写真展と音楽とのコラボは珍しく楽しみにして駆けつけたけど、そこで問題が発生してしまった
後輩は撮影のプロではあるけど、イベントの対応は素人。曲がりなりにもプロのミュージシャンとして呼んでいるのに、対応が悪く後輩は文化祭の前座のバンドのように扱ってしまったのです。出迎えの応対は悪く、控室も無く、ギャラも少ないなど、、、
演奏こそなんとか行われたけど、ゴタゴタしているのが僕らにも伝わり、凍り付きながら演奏を聴いたのを覚えている
確かに、そのミュージシャンは、無名で路上ライブに毛が生えたくらいのレベル。でもプロのスイッチを入れて来ているなら「アレ?」と思うのも分かる。でもそれを乗り越えて一流になるのだから、個人的にはミュージシャンにも問題ありとおもうけど。少なくともプロならば現場を凍らせてはいけない
でもこの事件、僕の仕事の上では、めちゃプラスになっている。よく、写真コンクールで写真家の審査員を呼ぶことがあるけど、その時の対応に気を使うようになった
小さな写真コンクールだと、ギャラの安い無名の写真家を呼ぶこともある。年金をもらいながら小遣い稼ぎで写真家と名乗っているような人だ。その時も僕は一流の先生と同様の対応を行う。例えば、コロナ禍に呼ぶ時は
「コロナで仕事が減って大変ですね」
とは言わず
「コロナで駆け出しの写真家は大変みたいですね」
と一段上の扱いをする。専用の控室を確保するなど配慮を行う。写真集などが出ていれば、サインをお願いしたりする
逆パターンもある。僕が記者から依頼を受けてプロとして撮影に行くときのことだ。ほとんどは、記者から「忙しいのにすいません」的なねぎらいをもらう。でも記者の中には僕らを「社内にいる、タダで来てくれる写真屋」みたいに考える人がいる
社長インタビューなどで
と記者が紹介するのだけど、これって記者は写真の写りなどどうでも良くて、
という事実だけが必要なのです。これって機材を持って撮りに行けば誰でも良いわけで、ある意味プロとしての扱いは受けていない。
そういう場合は、冒頭の10分ほどで撮り切り、早々に現場を離れる。本当、記者の都合に振り回さるのはゴメン、一応プロとしてこなす以上、穏便に仕事を終わらせるけど
僕の仕事でいうと、料理研究家、芸能人、芸術家、スポーツ選手、政治家、学者など撮影する人はみんな一線の人で現場は僕を含めプロばかりの世界。問題が発生することは少ないけど、まれに駆け出しの人を撮影するときは要注意だ。例えば、料理研究家で段取りが悪い人は通常の3倍くらい時間がかかったりする。そういう時も、絶対ダメ出しのしぐさを見せずにスマイル☺。どんなにダメでもプロとして接することが大事です