雑感

千本ノックの画像補正

画像補正についてよく質問を受ける。一番多いのが、

「パソコンの画面で見たとおりにプリントできない」

という問い合わせ。完全に画像補正をあきらめた人は質問しないけど、がんばってフォトショップを入れてみましたレベルの人は初期投資もかかっているし、それでいてうまく出力できないから悩むのでしょう

ただ、聞かれたところで対処が無いというのが僕の結論

「キャリブレーションをとれるモニタを使ってください」
「ペンタブ買ってください」

から始めたいけど、大体がノートパソコンとインクジェットプリンタの組み合わせ。処理にも限界があり、だいたいキレイに出力できれば及第点だと考えるべきです

そもそも、1-2時間の講習を受けて、それで作品作りはムリ。ちなみに職場の同僚にフォトショップを教えるというタスクがあり、そこそこ習熟するのに1日2時間講習で2カ月ほどかかりました。半年ほど経って、やっと紙面のグラフの画像補正を任せられるようになったけど、それはカメラマンで写真を知っていたから。撮り手じゃないとかなり厳しいだろうなぁ

画像補正って、やっていることは単調なことなんだけど、千本ノックのように、毎日30枚ほど補正して、カンが良い人は1年くらいでやり方が分かってくるもの。すぐには上達しません。また単調作業なので、それを乗り越えて上達するには写真が好きじゃないとやれない

料理でいうと、料亭の和食を作りたいのでちょっと教えて!と言っているようなもの。下積み時代は飛ばせない

またふつうの人が難しいのは、自分の撮影画像しか補正しないという点。ほんとだったら、いろんな人の画像を補正すれば、上達も早いのだけど、自分のクセのある撮影画像を、クセのある補正で行うので上達しにくいのです

僕の補正方法って、フォトショップが生まれたころからある方法なんだけど、今はLightRoomとかCameraRAWとかで比較的簡単に補正ができるので、細かいところまでできないけど、それらを使うのが良いでしょう


カメラ小僧の僕が撮った万博の写真 

退色で黄色が抜けているのでBlueのトーンカーブの暗部をいじるときれいになる

写真コンクールを担当していると、入選者に撮影データを提出してもらうことがある。その時に元データを送ってもらうのだけど、(自称)補正の達人という方がまれにいて、撮影者の世界観で補正したのでこのまま使って欲しいと言って送ってくることがある。よほど自信があるのか元データはない

そういう場合、ほとんどが使えないような悪い補正が多い。そもそも、僕らが補正をする場合は、ネット用、紙面用、パンフレット用で細かく補正を変えている

ネット用だったらsRGBでモニタやスマホできれいに映るようにする。紙面用だったら、CMYKの空間に色分解して、それで最適のインク量に調整する

そういう調整があるのも知らずに、撮影者が補正したものを送られてもうまく行きません。なので元画像を要求しているのです

ちなみにコンクールの場合は「データの改ざん」を見分けるために、元画像と可能であれば前後のコマも送ってもらいます

ホント、画像補正って奥が深いですね。AIがこの先進化すると、パソコンに向かって、プロラボの人に伝えるように補正のポイントを告げれば、ある程度きれいに出力できる時代が来るんじゃないかな?

でもこれって30年前から言われていたけど、画像処理はなくならないし、人間の感覚って繊細なんだと思う。更に30年後の世界は? 撮影や補正はより簡単になり、写真ってつまらなくなっているかも知れませんね!

プロラボで画像補正できますか?

勘違いしている人が多いのですが、プロラボは「この辺明るく」「全体的に青味を取る」くらいの簡単な補正しかできません。顔を明るく、シワを取るなんて補正はレタッチャーに頼むしかなく、ちょっとした補正でも数千円かかります。 ただ地方に行くと個人経営のラボで、「電柱を消してから四ツ切に」なんて請け負うところもあるそうですね。東京じゃあまり聞いたことがありませんが、、、それでコンクールに送って審査員も気づかずに入選してもどうなんでしょうかね?

画像補正を習いたいのですが?

大手の写真専門学校などで画像処理の10回コースなどを開講しているところがあります。10回で10万円くらいしますが、それなりのことは覚えられます。僕も1日だけ体験で受けたことありますが、結局先生が撮り手でもなく、デザイナーでもないので、いまいちでした。撮影とデザインの現場を俯瞰して補正できる人が良いのですがなかなかいませんね。ただ、共通しているのは補正がうまい人は撮影力も高いということです

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