雑感

デジカメが36枚撮りだったら

結婚式はあまり撮らないが、10回ほど経験がある

銀塩時代の80年代、街に1時間仕上げのラボが存在したので、式の冒頭で撮った記念写真をプリントし、式の最後に手渡すというサプライズをよくやった。プロらしいオペレーションだがデジタル下の現在は写真をすぐに見られるのは当たり前のことだ

銀塩時代の式の撮影では、フィルム1本で36枚撮れるので、4-5本つまり200枚弱の撮影が標準的だった

「少なっ」

とデジタル全盛の今では感じるだろう

知り合いのブライダルカメラマンは、1日撮って2,000枚、依頼会社への納品も1,000枚を要求されたりするらしい。でもブライダルは1日の撮影で30,000円くらいもらえるのでまだマシだ

運動会を撮影する副業カメラマンなどは、日当が15,000円で2,000枚を要求されたりするらしい

僕から見ると写真じゃなく「パラパラ漫画」の動画収録の感覚

でもデジタルで育ったカメラマンは撮影枚数なんて気にしないだろうなぁ

ちなみにデジタル時代に撮った知人の結婚式では、撮影枚数が約500枚で納品が約200枚だった。あらゆるシーンを無駄なく撮っているけど、この少ない枚数は副業カメラマンなら失格だね

以前、36枚のモノクロフィルムを見て驚いたことがある。それは撮影者不明で1970年代に撮られた、手術の場面。状況的にカメラを1台しか持ち込めなかったのだろう

患者が入室してから手術が終わるまでを36枚に詰め込んでいる

一緒に見たカメラマンたちが異口同音に撮影技術の高さを絶賛した

「無駄コマがなく、狙いが的確に記録されている」

手術室ではレンズやフィルムの交換もできず、35-70mmだけで撮り切ったと思われ、丁寧に撮られた1枚1枚に、主張が感じられたのだ

厳密に言うと34枚しか撮っていないのだが、そういえば不測の事態に備え、当時のプロはフィルムを少し残すのが当たり前だった。デジタル時代には考えもつかないことだけどね
こう考えると銀塩時代のほうが撮影者の感性が研ぎ澄まされているように思える

でもデジタルでは角度や高さ、画角などを変えてたくさん撮れるので、断然良い写真が撮れる確率が高くなる

先輩カメラマンが

「今のカメラマンはパラパラ漫画を撮る」
「カメラマンじゃなくオペレーターだ」

なんて揶揄していたけど、機材が変わりルールが変わったのだから郷に従うしかないよね
よく銀塩時代は「外したら戻れない」緊張感があり、デジタルは「たくさん撮っておけば失敗することはない」という人がいる。要するに「銀塩には集中力が必要」と結論づけたいわけだが、これも間違い。両方を知る僕としては銀塩時代はフィルムの光線漏れなどで全滅なんてことがあり、周りもある程度失敗を許容することが多かった。逆にデジタルでは「メモリカードが壊れて読めない」「すべてスモール画像で撮ってしまった」などの事故が大ごとになる。「集中力の質」が違うだけだ

でも「36枚に自分の主張を詰め込む」という時代が懐かしいなぁ、2,000枚の「パラパラ漫画」を1枚のメモリに詰め込んでも誰も共感しないものね

「デジカメが36枚撮りだったら」

あなたはどう撮りますか

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