ニコンD6,キヤノンEOS-1DX Mark Ⅲなどフラグシップ機の背面には、必ず鍵マーク(プロテクト)を付けるボタンが良い位置についている。存在理由が分かるでしょうか?
答え
現場で鍵マークを付け、画像を振り分けるため
ここまで答えを言っても、理解されないと思うので、今回はこの鍵マークの奥深さについて掘り下げましょう
鍵マークを付けると画像ファイルに書き込み禁止のフラグが付き、フラグを外さないと削除ができなくなります。カメラで全画像削除しても、鍵マークの画像は消えない。報道の場合は、大事なデータを保護するという意味は少なく、鍵が付いている画像だけ振り分けて、それを送信するために使います
送信ソフトによっては、鍵の付いた画像だけ送信する機能が付いています
流れはこうです
例えば大相撲を客席から撮る
取り組み合間に、カメラで決まり手ごとに場面を探して2-3枚鍵マークを付けておく
パソコンに鍵マーク画像だけ読み込み、取り組みの合間に送信
ここでキモは、「カメラで鍵マーク」を付けるということ
ふつうの感覚ではパソコンでチョイスすればと考えるけど、取り組みの間の10秒くらいを使ってパソコンで選ぶのは難しく、いろいろ試した結果、カメラで鍵マークを付けるのが手早い
それとニンゲンの記憶はあいまいなもので、1分前のシーンなら覚えていて簡単に探り出せるけど、1時間後に探り出すのはすごく時間がかかる。それなら、1分前のシーンを5秒位で鍵マークを付けるのがバカなニンゲンには合っているのです
よく1時間の撮影のコマ選びを家で3時間かけるとかいう話を聞くけど、その場で鍵付けすれば撮影が終わって30分で仕事が終わる
この鍵マークは報道の世界では必須のボタンになりました
この鍵マークの苦悩は1999年にニコンからD1が出た時までさかのぼる。D1ではすでに鍵マークをつける機能が付いていました。ただ
1クリックで鍵マークが付かない
鍵マークを付けている最中は撮影ができない
という重大な欠点があり、2000年のシドニー五輪から帰ってきてニコンの開発との意見交換会で改善要求をしたことがあります
次のD1Hでは改善され、画像表示時に1クリックすれば、鍵マークがつくことになりました。勝手に、「この鍵マークの仕様は僕が考えた」ということにしていますが、僕が言わずとも、報道系では必要な機能なので誰かが要望していたでしょう
でも、きびしい現場でライバルたちが一生懸命、鍵マークを押しまくっている姿を見ると少し自慢したくなります